FX(がいこくかわせしょうこき

初心者のためのFX講座

■課税方法
為替差益に対する課税は外貨預金が雑所得(総合課税)で外貨MMFが非課税、利子は外貨預金・外貨MMFとも利子所得(所得税・住民税合わせて20%の源泉分離課税)となるが、FX(FX)は取引方法により2種類の課税方法に分かれる。
 ・店頭(相対)取引: 差益・スワップポイントとも雑所得(総合課税)。他の投資収益(日経平均先物、商品先物等)などとの損益通算・損失繰越は不可。ただし、他の雑所得との損益通算は可能。
 ・取引所取引(2009年1月現在、くりっく365(東京金融取引所)のみ): 差益・スワップポイントとも雑所得(所得税・住民税合わせて20%の申告分離課税)。他の投資収益(株価指数先物、商品先物等)との損益通算や3年間の損失繰越が可能。

■ロング・ショート
FXでは、「買い」の方の通貨をロング、「売り」の方の通貨をショート、と呼ぶ。常に何らかの通貨を売り、何らかの通貨を買う、という取引をする。これは、日本円でバナナを買う際に、バナナを買って日本円を売っているわけでもあるのと同様である。FXではバナナの代わりに通貨を用いており、日本円を売って米ドルを買う、米ドルを買ってユーロを売る、というような取引をしている。上記の例では順に、ドルロング円ショート(またはドル円ロング)、ユーロショートドルロング(またはユーロドルショート)という言い方になる。


通貨のペアはUSD/JPY、EUR/JPY、EUR/USDなどと表記が決まっているので、「ドル円ロング」といえば円はショートされている。同様に「ユーロドルショート」と言えば、ドルはロングされている。ただし同じ取引を、円ドルショート、ドルユーロロングなどという言い方は慣例としてしない。

■レバレッジ

FXでは、レバレッジを利用することにより、証拠金以上の外貨を取引することができる。レバレッジの倍率を高くするほど為替相場の変動によるリスクは高まる。取引業者によっては400倍もの高レバレッジも設定可能であるが、50倍以上の倍率はロスカット(LC)されやすい為上級者向けである。逆に証拠金と同額の外貨を取引する(レバレッジ1倍)という外貨預金に近い比較的低リスクな取引もできる。

仮にレバレッジが100倍で取引した場合、1%の変動(1ドル=100円から1ドル=101円)が100%の変動になる。利益なら証拠金が2倍になるが損失なら証拠金全額を失う。

高レバであるほど、リターンが高まる分リスクが高まることを理解しなければならない。注文後はすぐにストップロス(逆指し値)を必ず使い、被害を最小限に留めることが大切である。

実際には商品先物の証拠金取引と同様、損失が一定額を超えると、ロスカットルールによって強制的に反対売買がなされる。またそれよりも損失の小さい段階で追加証拠金の差し入れ(追証)を請求される(マージンコール)場合もある。ロスカット判断は取引時間中はほぼリアルタイムで行われているが、システム状態によっては必ずしもリアルタイムとならない場合もあるほか、週明けに大きな変動があることもあるため、特にハイレバレッジの損切りは多大の追証が発生するケースも多い。

■一部の取扱通貨について
近年成長著しい中国の元を取り扱っている業者は少なく、扱っていてもスワップ金利が付かない場合や、中にはスワップ金利が売り買い共にマイナスというケースもある。これは、中国元の元市場が先進国の通貨に比べて自由化されておらず、通常の方法で取引できないためである。

■主なリスク
<外国為替相場の変動リスク>
  相場の変動がある以上、利益が期待できる反面、損失を受ける場合がある。証拠金の何倍もの取引を行うことができるため、損失が預託した証拠金を超え、さらなる証拠金を請求されることもある。これはストップロス注文(○円以下になったら自動決済)である程度は回避できる。
  また、緊急時には普段なら+2-3円などで逆へ動くが、そうで無い場合は一気に10円以上上げる(下げる)日もあることを理解すること。
<メンテナンス時間の急激な変動によるリスク>
  朝6時以降の業者のメンテナンスを狙った急激な変動を起こされた。メンテ中は自動ロスカットがされない為、損失が通常の数倍となってしまう。さらに追証になる危険がある。
  急激な為替変動がある時期には要注意であり、自動ロスカットを過信しストップロス注文をしないと痛い目に会う。(自動ロスカットよりもストップロス注文した方が損失は少ない)
<業者に対する信用リスク>
  客から委託された証拠金を、自社の資産とは別勘定で信託銀行に信託分別管理するといった保全管理をしていない業者の場合、破綻した際には預託していた証拠金が戻ることは期待できない。エフエックス札幌では、取引者が持っているポジションが強制清算されて、かつ証拠金が返金されない事態が発生している。業者によって証拠金の(保全)管理方法が異なるので、約款などで確認する必要がある。
<投資家や業者のシステム不具合>
  システム停止や回線不具合等の理由で、現在のポジションを確認できず正しい判断が出来ない。決済注文をしたい場合に注文が出せないなど。
<相対取引を悪用されるリスク>
  相対取引の場合、業者によっては悪意のあるストップオーダー狙いの価格操作がしばしば見受けられる。インターバンク間では全く価格が動いていない状況であるにもかかわらず、システム操作によりストップオーダーが集中する価格まであからさまに瞬間的に振れさせ、瞬時に元に戻す。この操作の結果多くのストップオーダーが発動し、投資家のストップオーダーによる損切り決済分をそのままそっくり業者の利益にしてしまう。

■特徴
FXには、外貨預金・外貨建てMMFなど、他の外貨建て金融商品と比較して、以下の特徴がある。

 ・多くの外貨建て商品では、通常外貨を買ってから後に売るという取引になるが、FXでは逆に外貨を売ってから一定期間後に買い戻すことも可能である(いわゆる「売りから入る」取引)。また、日本円(JPYと略する)しか持っていなくても、「米ドル(USD)を売ってユーロ(EUR)を買う」といった取引も可能である。
 ・レバレッジを利用することによって証拠金の何倍もの外貨を取引することができる。但し、証拠金以上の損失を受けることもある。->追証
 ・為替レートが同一の時の、売り相場と買い相場(他の外貨商品でいう、電信買相場(TTB)と電信売相場(TTS))の差(スプレッド)が他の金融商品に比べて小さい。
 ・金利が高い通貨の買いポジション(ロング)の場合の、金利差による受取スワップポイントも、他の金融商品より有利な場合が多い。(但し、受取スワップポイントによる利益を享受できるのは、買いポジションにある通貨が上昇している時だけで、下降時には受取スワップポイント以上の多大な損失を受ける)
 ・一方の貨幣価値が上がると他方の貨幣価値が下がる事から、取引の儲けは必ず他方からの損から成り立っており、株式のように為替市場全体の富が増加する事はない。また日本では法整備以前の頃にあった偏見からゼロサムゲームやマイナスサムというのが一般通念となっているが、実際にはキャピタルゲイン(為替差益)やインカムゲイン(金利差益/スワップ)による損益は、金融当局の為替介入や金融政策、また各国の主要銀行の金利変動や、ファンダメンタル的な要素で増減するため、ゼロサムとはなっていない。
 ・取扱い事業者および外務員は登録制(改正金融先物取引法:2004年12月成立、2005年7月1日施行)であるが、FX事業者の破産や詐欺行為などを事前に予防・担保する法的・財務的規制が十分でない状態であり、委託証拠金が分別管理されていない事業者の場合、預け入れ金が返還されない可能性があるなど事業者リスクを十分検討のうえ配慮する必要がある。証券会社の取り扱うFXについても、通常は分別保管の対象外や日本投資者保護基金の補償対象外となっているので確認する必要がある。

■法規制
本取引は、かつては取引に関する法律(いわゆる「業法」)がなく規制もなかったため、多額の手数料を顧客から騙し取るといった悪徳業者が多発した。2005年7月1日に金融先物取引法が改正されたことで以下の規制が設けられたが、過当競争状態になっている証券会社などでのトラブルや、本取引を騙っての詐欺事件が後を絶たない。

 ・業者は登録制となり、金融庁の監督下に置かれるようになった。
 ・以下の禁止行為が設けられた。
  ・不招請勧誘の禁止
  ・契約をしない旨の意思表示をした人に対する再勧誘の禁止
  ・断定的判断を提供しての勧誘の禁止
 ・広告規制
 手数料やリスクなどについての表示を義務づけられた。
 ・書面の交付義務
 契約締結前、取引成立、証拠金受領時にそれぞれ書面の交付が義務づけられた。
 ・外務員が登録制となった。

この規制は、2007年9月30日に施行された金融商品取引法の一部として再構成された。

■金融商品販売法の適用
本取引は、2004年4月1日施行の「金融商品の販売等に関する法律」(「金融商品販売法」)の改正により、「直物為替先渡取引」に該当することが明確になった。(金融商品販売法 第2条1項12号、同法施行令 第4条)

このため、業者はリスク等に対する説明義務が課せられる。説明が尽くされておらず顧客が被害を蒙った場合は、業者は損害賠償責任を負うことになる。(同法 第3条1項2号、第4条)

■問題点
FX取引を巡って、所得税の脱税や申告漏れが多数報告され、納税意識の低さが問題視されている。
取引所取引は20%の申告分離課税だが、その他の店頭取引は雑所得として総合課税の対象となる。
同じような取引でも税率に違いがでるなど、制度上の問題がないわけではない。

なお、2009年1月から、取引所取引だけではなく、店頭取引についても、支払調書が税務署に提出されることとなった。

■FXの例
1ドル=120円、レバレッジ20倍で取引する場合、60万円(5000ドル相当の円)を証拠金として預託すると、5000ドル×20倍=10万ドルの取引が可能となる。つまり、証拠金は取引額の5%になる。1ドル=120円のときに取引開始して10万ドルを買い、その後、円高となって1ドル=115円になったとする。このときの収支は、

 ・1ドルあたり 115円-120円=-5円 であるから、10万ドルでは50万円の損失である。
 ・また、証拠金は1ドル=120円のときに、5000ドルであるから60万円である。
 ・初めの証拠金の60万円に対して50万円の損失を差し引くと、残るのは10万円だけであり、初めの1/6となる。

上記と逆に、円安となって1ドル=125円になった場合は、50万円の利益となる。つまり、初めの証拠金の60万円が110万円となり、およそ2倍となる。

■FX
FX(がいこくかわせしょうこきんとりひき)とは、証拠金(保証金)を業者に預託し、主に差金決済による通貨の売買を行なう取引をいう。「FX」、「通貨証拠金取引」、「外国為替保証金取引」などともいう。(FXは本来、Foreign eXchange=外国為替の略)

日本では1998年に外国為替及び外国貿易法が改正されて、ダイワフューチャーズ(現・ひまわり証券)、豊商事などが取扱いを開始、ブロードバンドの普及も手伝って市場が急速に拡大した。商品先物会社、証券会社のほか、本取引を専業で取り扱う業者もある。取引の仕方によっては非常に高いリスクを負うため、実際の取引にあたっては外国為替相場に関する十分な知識や経験を要する。

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